肩から手の痺れや痛み、冷えの原因はコレだ!!胸郭出口症候群とは!?
今回のテーマである胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)ですが、多くの方はどこの話をしているの?という感じだと思います。
胸という漢字ありますので胸部周辺だとは推察できると思いますが、胸郭というのは胸の周りの骨(肋骨)のあたり全体を指している言葉です。さらに出口と書いてあると下半身に向かっていく方にありそうですが、そうではなくて鎖骨と肩の間にある凹みの部分が胸郭の出口と呼ばれる箇所です。
悪い姿勢や座りっぱなしの仕事、ストレス、肩の筋肉の緊張が長く続くと、この出口を通っている神経、血管などが圧迫され冷え性、肩こり、手のしびれを発症することがあり、こういった症状を引き起こすのが今回のテーマである胸郭出口症候群です。
それでは詳しくみてまいりましょう。
胸郭出口症候群の実例
首から肩にかけて、どのような構造になっているのかもう少しご説明します。
胸郭出口のあたりは神経の束や太い血管の通り道になっており、それらを筋肉が覆うような構造になってます。具体的に言えば首と肩を繋ぐ中斜角筋、前斜角筋や、肩と胸を繋ぐ小胸筋といった筋肉の間を腕神経叢(わんしんけいそう)という神経群や鎖骨下動脈、鎖骨下静脈といった血管が通っています。
その為、前述した筋肉が緊張し、凝ってくると神経を圧迫することによって痺れや痛み、あるいは血管を圧迫することで腕に回る血液が少なくなりチアノーゼによる青紫色への変色や冷え性といった症状が発生するというわけです。
胸郭出口症候群は男女どちらにでも発症する可能性があります、例えば女性であればなで肩や猫背などの姿勢をよくしていたり、男性であればがっちりとした体型をしていて、重い荷物を挙げたり、バスや電車などでいつもつり革に掴まってような方に多く発症する傾向がみられます。
その他にも野球のピッチャーやバスケット選手、着ぐるみなどを着てずっと手を振っているなど、日常的に同じ姿勢をずっと続けていたり、腕を頭よりも上にあげる機会の多い方によく発症します。
胸郭出口症候群の症状
胸郭出口症候群を患うと腕の痛みや痺れ、肩こり、手の冷えなどの症状が起こりますが、病状が進行していくと腕だけでなく脚がしびれてきたり、神経の障害から握力が低下し、荷物を落としたり、手のしびれによって細かい作業がしにくくなるといったケースも見られます。
あるいは先の章で説明している通り、胸郭出口周辺は非常にたくさんの血管や神経が通っているので胸郭出口症候群だけでなく、多くの疾患が起こりやすい箇所でもあります。さらにいえば胸郭出口症候群というのも胸郭出口近辺に起こる不調の総称であり、斜角筋症候群、肋鎖金症候群(ろくさしょうこうぐん)、小胸筋症候群など多くの種類に分かれています。
胸郭出口症候群の対策
胸郭出口症候群の予防には、神経と血管を圧迫しないようにこれらの通り道を広げてあげたり、斜角筋を始めとする筋肉群を使いすぎないことが大切です。
例えば毎回決まった方の肩で荷物を持たないようにしたり、電車やバスではつり革以外の鉄柱を掴む、あるいはストレスのため過ぎによって筋肉が緊張してしまうこともあるので仕事や家事の合間には適度な休憩を挟むようにしましょう。
他にもちょっとした運動を日常生活に取り入れることで血行が改善され、胸郭出口症候群を始めとする首周りの疾患に効果的です。その場合は日本人であれば誰でも知っているラジオ体操をおススメします。
ラジオ体操は子供の頃は学校で行っていたけれど大人になってからは一度もしたことない、という方も多いと思いますがとてもよく作られている体操だと思います。
長すぎず短すぎず適度な時間で、脚、腰、胸、首など全身をまんべんなく動かすことが出来ます。また実際に行う時の注意点としては「なんとなく」やらない事です。屈伸する時はきちんとお尻を下げ、身体を回すときは大きく、そして手を伸ばすときはしっかりと行わないと効果が薄れてしまうのでそういった事に気を付けてみてください。
まとめ
今回は首周りの筋肉が緊張し、神経・血管などを圧迫してしまうことで手の痺れや痛みを始めとする様々な症状が見られる胸郭出口症候群について確認してまいりました。
文中でも触れましたが、首周りは胸郭出口症候群のほかにもたくさんの疾患が起こる箇所です。また人体の構造上、人間の身体は頭よりも上に腕を上げ続けることが出来ません、もちろん仕事の都合で常にそういった姿勢を取らなくてはならない方もいらっしゃると思いますが、先に挙げたような工夫を行い、胸郭出口症候群に陥らないようにしましょう。
身体の不調による疾患は痛みや痺れといった肉体的なストレスだけでなく、不調が長引けば気持ちが暗くなったり、日常生活を楽しく営めなくなります。もしも身体の不調にお悩みであれば一度、専門家に相談してみましょう。
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