風邪ではない!?紛らわしい蓄膿症と風邪の違い!!
何気ない日常生活を行っている時、我々にとってもっとも身近な身体の不調と言えばやはり風邪ではないでしょうか。熱が出たり、鼻が詰まったり、あるいは関節が痛くなったりと人や流行りによって症状は様々です。
今回は風邪とよく似た症状を引き起こす蓄膿症について記事を書いてまいりたいと思います。最近はテレビCMなどでこの蓄膿症を予防する薬の宣伝がされていたり、病名としての知名度はかなり高いと思いますが、具体的にどのような症状が起こり、どんな原因で発症するか、など詳しくみていきたいと思います。
蓄膿症とはどんな病気?
それでは蓄膿症の説明をする前に、鼻周辺の構造から説明してまいります。人間の頭蓋骨は大切な脳を守る為にとても頑丈に作られているのですが、顔面骨(いわゆる顔の骨)の中は意外とたくさんの空洞が存在しています。
もちろん脳が入っている前頭骨(ぜんとうこつ:いわゆる頭の骨)の中もからっぽですし、鼻の奥は鼻腔(びこう)という空洞が存在しています。さらに鼻腔の周りには上下左右にそれぞれ副鼻腔(ふくびこう)と呼ばれる空洞があります、それぞれ蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)という四つの空洞が鼻腔とつながって出来ています。
そしてこの副鼻腔に風邪やウイルスなどの細菌が侵入し、炎症を起こしている状態を急性副鼻腔炎と呼びます。この時、皆さまもご存じのとおり、鼻が詰まったり、鼻水が出るといった症状が起こります。
急性副鼻腔炎は自然に治ったり、比較的短い時間で完治する事が多いのですが、これがずっと続き、本来もっているうみを排出する粘膜の働きが悪くなったり、粘膜が腫れ上がる事で鼻腔を塞ぎ、さらに炎症してしまうという状態を慢性副鼻腔炎と呼び、これが今回のテーマになっている蓄膿症というわけです。
蓄膿症の症状は?
蓄膿症は風邪と似た症状を引き起こすと冒頭でも触れましたが、鼻水、鼻づまり、あるいは意識がぼーっとしてしまうなどはよく似ていますが、明らかに異なる症状もたくさん見られます。
例えば風邪やアレルギーが原因でみられる鼻水は透明でサラサラしているのが特徴ですが、蓄膿症の場合、粘度が強く、黄色や緑色の鼻水が出てきます。
または後鼻漏(こうびろう)と呼ばれる症状が起こる事もあります、これは粘度の高い鼻水が喉の方に垂れて、不快であるのはもちろん、声が出にくかったり、咳が止まらなかったり、という症状を引き起こします。
あるいは鼻が詰まっている事で味覚症状が起き、食べ物の味がわからなくなったり、炎症が原因で頬や眉間に痛みを感じたり、鼻の中で不快なにおいを感じたり、それが原因で口臭がきつくなるなどの症状も出てきます。
ですから蓄膿症を発症すると食事がおいしくなくなったり、口臭が気になって人と近くで話すのが怖くなったり、鼻や喉に不快な鼻汁を感じたりと、いい事は一つもありません。
蓄膿症を予防するには?
前述のとおり、蓄膿症はウイルスや細菌が侵入する事で炎症を引き起こす急性副鼻腔炎が発症の引き金になります。ですから秋や冬の季節はなるべくマスクをして侵入を防ぐことを心掛けましょう。
または昨今、流行っている鼻うがいも効果が高いと思います。けれど一番気を付けたいのは免疫力の低下です。人間の身体にはマスクを使用しなくても呼吸をすることで侵入してくるウイルスや細菌を身体の外に排出する機能が備わっています。
しかし免疫力が低下すると、この体外へ排出する機能が落ち、雑菌や異物が鼻の内部に残ってしまいます。内部に一度入ってしまえば、排出されない限り雑菌は増殖を続け、蓄膿症だけでなく他の疾患を併発してしまう場合もあります。
免疫力を高める方法はたくさんあります。例えば規則正しい生活、適度な運動、睡眠時間の確保、栄養バランスの取れた食事などが効果的です。
その他に気をつけたい点は、腸に良いとされる食品を意識して摂取する事です。なぜそんなに腸に気を使うかといえば、免疫力の60~70%は腸内で発生していると言われており、例えばヨーグルトやトマト、リンゴ、ジャガイモなどの食物繊維なども腸内環境を正常にすることに役立ちます。
または出来る方と出来ない方がいらっしゃると思いますが、筋トレは免疫力を高めるのに非常に効果的です。なぜなら筋肉は脂肪と異なり常にエネルギーを使って燃焼しているので基礎体温を高める効果が期待できます。基礎体温が上がると血流がよくなり、白血球の動きもよくなるのでやはり免疫力が高まる結果になるというわけです。
まとめ
今回はつらい鼻水や鼻づまり、鼻腔内の異臭、味覚障害などを引き起こす蓄膿症について記事を書いてまいりました。
文中でも触れている通り、蓄膿症は特に免疫力が低下すると引き起こされる可能性が高くなる病です。もちろん免疫力の向上は蓄膿症だけでなく、風邪や、ほかの疾病も予防できる力ですから、普段から出来る限り気を付けて生活できるといいですね。
蓄膿症に限らず、健康な身体作りが出来ることは仕事でもプライベートでもとても大切です。なにか気になる事があればお気軽に当院までご連絡ください。
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