燃料がなければ身体は動かない、ハンガーノック症!

2019年2月28日

スポーツは競技によって壊しやすい身体の個所や、ケガの種類が異なります。例えば野球選手ならば上半身、サッカー選手ならば下半身や股関節、テニス選手ならばなどに多くの故障が見られます。

今回ご紹介するハンガーノックはどちらかというと瞬発的な力が重要な上記のスポーツよりもマラソン選手トライアスロン、あるいは長時間サイクリングをするような方々に起こりやすい病です。

この疾患はひと言で言えば身体が起こすガス欠状態です。車に燃料が入っていないと動かいないように人間の身体もエネルギーが枯渇すると動かくなくなります。それでは内容を確認してまいりましょう。

ハンガーノックとは?

わかりやすい例を出せばハンガーノックは、マラソン中継などで選手が突然、膝から崩れ落ちてレースに復帰できなくなる状態です、たまに年末の駅伝大会でも見られるのでご存知の方も多いと思います。

例えばダイエットをしているから糖質を制限したり、食事量を減らしたり、ということを行うと長い目でみると身体によくはありませんが、その影響でいきなり意識を失ってしまうようなことはほとんどありません。

しかし、マラソンを始めとする有酸素運動には絶対に必要な栄養素が存在します、それが「糖質」です。糖質が多く含まれている食品と言えばお米を始めとする穀物類、野菜でいえばカボチャ、トウモロコシ、そら豆、バナナ、イチゴなどにもたくさん含まれています

そして運動に必要なのは、口から摂取した糖質が分解されて発生するグリコーゲンという物質です。この物質は運動に使用されるだけではなくて、脳を動かす為にも使われていますので、グリコーゲンが枯渇すると、立っていられない状態になるのはもちろん、頭が働いていないので正常な判断ができなくってしまいます。

マラソンというスポーツは競技中にサポーターが身体に触れることを禁じており、むやみに身体に触れると失格になってしまいます。しかし、選手がフラフラし始めて競技を中止しようと身体に触れても走り続けようとする選手がいるのも確かです。これはグリコーゲンの枯渇によって正常な思考が保てなくなっていることが原因ですね。

グリコーゲンはどのように使用されるのか?

さて、運動にグリコーゲンが必要な事は前章でご理解いただけたと思いますが、ここではそのグリコーゲンがどのように消費されていくのかをご紹介していこうと思います。趣味としてあるいは仕事として有酸素運動をよくする方々は是非、ご参考ください。

グリコーゲンは、蓄えられている場所によって呼び名が異なります。例えば肝臓に蓄えられているのが肝グリコーゲン筋肉に蓄えられているのが筋グリコーゲン、そして残りは血液中に溶け込んで体内に存在しています。

運動を始めるとまず最初に筋肉にある筋グリコーゲンが燃焼されていきそれが枯渇すると今度は肝グリコーゲンが燃焼されていきます。しかし、肝臓というのは一時でも休ませることが出来ない大変重要な器官ですので、肝グリコーゲンが枯渇しそうになると脳は強制的に身体の動きを止めます。つまりこれがハンガーノックの症状というわけです。

エネルギーと言えば脂肪が燃焼されるのでは?

健康の為にはダイエットが大切、ダイエットで重要なのは脂肪を「燃焼」させることです。ということは多くのメディアCMなどで言われているので、人によってはグリコーゲンが尽きたら今度は脂肪が燃焼されるのでは?という疑問を持つ方もいるかもしれませんので、それにもお答えしておきます。

脂肪は確かに燃焼して身体のエネルギーとして活用することができますが、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンのようにすぐに燃焼してエネルギーを生み出すことは出来ません。その事は倒れる選手が骨と皮だけになる前に倒れているのでお分かりいただけると思います。

つまり身体に蓄えられている脂肪はエネルギーを生み出す万能選手というわけではありません。しかも、脂肪を燃焼させるにはさらにグリコーゲンが必要なので運動中に脂肪から瞬時にエネルギーを生み出すことは難しいというわけです。

まとめ・改善策

本日は有酸素運動を長く続けるスポーツ選手が陥るハンガーノック症について記事を書いてまいりました。文中でも触れている通り、運動にグリコーゲンは欠かすことが出来ない栄養素です。

そして最後にハンガーノックに陥らない為の注意点ですが、運動前に取る朝の食事で糖質が多く含まれている食品を摂取することも大切なのですが、糖質は身体に貯めることができる栄養なのでおよそ三日ほど前から糖質を摂取し、身体に蓄えるようにすると良いと思います。

また運動中もこまめに水分軽食を取ることを心がけましょう。さらにいうと、運動中に軽食を取る事が出来ない状態に陥った場合、それはすでに身体が摂取した食品を吸収できない状態になっていますので無理をしないようにしましょう。