思春期特有の病、成長痛とは?

腰痛膝の痛み内臓の不調生活習慣病などは子供に比べてはるかに大人、それも40代を過ぎてから起こることがほとんどです。さらに年を取っていくと骨が脆くなって骨折しやすくなったり、腱や筋肉の衰えから背骨や骨盤が変形したり、ズレたりする可能性が高くなっていきます。

一方で子供の時にしか起こらない疾患というものもあります、それが成長痛です。今回はオスグッドシーバー病といった子供の頃に発症する痛みについて記事を書いてまいりたいと思います。

成長痛は男子、女子の違いはありますがおおむね2~13歳の間に起こります。しかし、この年代は反抗期と重なったり、知識の少なさから自分の状態を上手く大人に伝えられずに我慢してしまうことがよくあります。もしも子供の動きに違和感があった時はなるべく早く専門家に相談するようにしましょう。それでは記事を進めてまいります。

 

成長痛とは?

成長痛という名前は非常に有名なのでご存知ないという方も少ないと思いますが、実際にキチンと説明してください、といわれると言葉に詰まってしまう方が多いと思います。成長痛とは身体の関節や膝かかとなど下半身に現れることが多いわけですが、この実態は骨の成長についていけない靭帯や筋肉が炎症していることで痛みを発生させています。

一見すると子供は身体全体が徐々に大きくなっているように見えますが、そうではありません。人間の成長とは「骨」が伸びていくことなのです。大人になると骨に吸収されてしまうのですが、この頃の子供の骨には骨端軟骨版(成長版)という組織があり、この軟骨に組織が追加されていくことで骨は伸長していきます。

すると骨に続いて周りの腱・靭帯・筋肉成長していくのですが、それらの成長が骨の伸長についていけなくなると接合部分が炎症を引き起こし、成長痛となります。ちなみによく混同されてしまうので補足しますが、腱は骨と骨を繋ぐ組織で、靭帯は骨と筋肉を繋ぐ組織です。

 

成長痛には呼び名がある

世の中には痛みの原因が特定できなかったり、他の疾患に当てはまらないので総称を用いて症状を説明することがあります。例えば頭痛、これも頭に痛みがあることの総称ですし、座骨神経痛腰痛なども同様です。

成長痛も同じで成長期に起こる膝やかかとの痛み肘関節の痛みなどを総称して呼んでおり、冒頭で出てきたオスグッドシーバー病などはキチンと病名のついている疾患というわけです。

同じ成長痛ですが、オスグッドは主にスネに痛みが走り、シーバー病はかかとに痛みがあります、この二つはよくスポーツ障害の一つとしても取り上げられますが、先ほどご紹介した骨端軟骨版(成長版)はこれから成長していかなくてはならない軟骨なので柔らかく出来ています。

その為、サッカー野球、あるいはバスケットボールなどをする子供たちは、何もしない子供たちに比べて関節に炎症が起きやすいということもできるのです。つまり、これらはスポーツ障害であり、成長痛でもあるのです。

 

痛みが出てきたときの対処法

成長痛の痛みはいつかはおさまるものですが、魔法のように一瞬で治すことは出来ません。ですから、まずは部活や体育といった関節に負担のかかる活動お休みして炎症が引くまで待つことが最善です。

しかし、この時に注意が必要なのは大人の心配は子供に通じないということです。活発な子供の場合、小学生や中学生のうちはどんどんと上手くなっていくのがうれしくてついつい、頑張り過ぎてしまうものです。

その結果、痛みを無理して活動を続けると、成長痛が悪化してなかなか治らなかったり、痛みが走るのではないか、という心配からおもいっきりプレーができなくなってしまうこともありますので、なんとなくではなく理解してもらえるまでキチンと説明してあげることが大切だと思います。

 

まとめ

今回はオスグッドシーバー病などの総称、成長痛について記事を書いてまいりました。子供の身体は大人に比べて柔らかく出来ているので猫のように事故や落下などの衝撃を受け流すことには長けているのですが、関節・筋肉・骨格が出来上がっていませんのでこれらに関わるケガには脆いと言えます。

また成長痛はズキッと痛むこともありますが、ジーンとした鈍痛が続くことが多く、思春期のイライラも相まって不機嫌な調子が続くかもしれません。小学生のうちはそれでも痛みの程度や度合いを聞かなければなりませんが、中学生に入っていればそっとしておいた方がいいと思います。

それから万が一、痛みが一週間・二週間でなくひと月~半年以上も続いていた場合は若年性リウマチ白血病ウイルス疾患アレルギー性紫斑病など成長痛よりも恐ろしい疾患隠れている場合もあるので、必ず専門家に相談するようにしましょう。