身近なお悩み、弛緩性便秘!
女性の皆様に日ごろ悩んでいる身体の不調を挙げてください、という質問をするとおそらく出てくるのは肩こり、腰痛。日ごろ仕事をしていても育児をしていても、逃れられない不調だと思います。
そしてその他にも、といわれたら次は生理痛や便秘を挙げる方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。なかなか解消されないために、下剤を服用してしまったり、たまった宿便でお腹が張ってしまったり、イライラしてしまったり、出来れば解消したい悩みの種だと思います。
今回はどうして男性よりも女性の方が便秘に陥りがちなのか、便秘にはどのような種類があるのか、など身体の構造も含めて確認していきたいと思います。それでは始めてまいります。
食べ物が消化されていくプロセス
それではまず初めに口から入った食べ物はどうやって消化吸収されていくのかを簡単に確認しましょう。口に入った食料は咀嚼(そしゃく)され、ご飯などの炭水化物は唾液のアミラーゼという成分によって糖に分解されます。
その後、食道を通って胃に入り、胃酸によって溶かされていきます。そして十二指腸に入って、ここでおかゆのようなどろどろの液体にまでなり小腸に送られていき、小腸にある絨毛(じゅうもう)で必要な栄養分を吸収していきます。
最後に不必要な食べ物と残った水分が大腸で吸収されて残りは便となって排出されます。ちなみに腸はもちろん、私たちの意志で動かすことができません。この動きを司っているのが心臓や内臓を動かしている自律神経と呼ばれるもので、脳の中心にある視床下部という箇所が腸を動かし指令を出しています。
そのため、ストレスや寝不足、慢性疲労などが重なると自律神経に乱れが生じて便秘になりやすくなってしまいます。
便秘の種類
便秘という単語を聞くと多くの方は「便がうまく排出されない」という事実だけに眼が向きがちですが、実際はいくつかの種類があります。例えば今回タイトルにもなっている弛緩性便秘は大腸の動きが鈍っていることで起こります。
では動きが鈍るということはどういう意味かというと、腸には消化された食べ物を直腸に向けて移動させるぜんどう運動があるのですが、これを引き起こす為に必要なのが食物繊維で、その繊維によって食べ物の位置を腸に伝え、ぜんどう運動を促します。
しかし加齢や元々持っている筋肉の量が少ない、あるいは先ほども登場しているように自律神経の乱れなどによってこのぜんどう運動が滞ると、大腸内に便が長くとどまるようになり、水分が過剰に吸収され、直腸に溜まりやすいカチカチの便になってしまうのです。
あるいは直腸性便秘というものもあります。これは直腸の周辺にある圧力センサーがおかしくなってしまうものです。圧力センサーといっても、もちろん機械が入っているわけではないのですが、便が直腸に溜まるとその圧力によって人間は便意を感じるように出ているのですが、例えば決まった時間にいつもトイレに行けなかったり、便意を何度も我慢してしまったりすると圧力センサーが機能しなくなり、ついには便意を感じなくなってしまうものです。
どうして便秘は女性に多いのか?
これには様々な理由があります。例えば一つは先ほども挙げたように決まった時間にトイレに立つことが出来ない方が多くいらっしゃること、事務作業や受付などなかなか席が立てない職業につかれていたり、他にも男性に比べて女性は環境の変化に対するストレスを感じやすい傾向があり、旅行に行っていたり、他人とずっと過ごしていると知らず知らずのうちに便意を我慢してしまって、直腸性便秘に陥りやすいといわれています。
またそういった環境によるものだけでなく、元々持っている身体の機能も影響します。その一つが女性ホルモンの一種である「黄体ホルモン」です。これは妊娠した時に子宮筋の収縮を抑制して流産しにくくする働きなどもありますが、もう一つに水分や塩分を身体にため込もうとする働きも持っているのです。
そのため、腸内で過剰に水分を吸収してしまい、弛緩性便秘になりやすくなってしまいます。さらにそういったストレスやホルモンの影響だけでなく、男性に比べて女性の方が腹筋が少なく便を送り出すチカラが弱いことも挙げられます。
これによって便意を感じて、トイレにこもってもなかなかスムーズに排出することができず、直腸性便秘と同じような状態になってしまったり、顔いきみといって自分ではいきんでいるつもりでも顔に力が入っているだけで、腹圧は高くならず、排便がうまくいかないといったことも起きるようになります。
まとめ
今回は女性に多いお悩みの一つ、便秘について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、ストレスや時間が取れない、あるいは女性が元々持っているホルモンや筋肉量の少なさなどによって便秘は引き起こされています。
よく言われている事ですが、十分に水分や食物繊維を多く取ると共に、筋肉量を上げるために運動を定期的にしてみたり、ストレスをなくして自律神経の働きを正常にするなどが便秘には効果的です。
他にも整体によって腸内環境を整えたり、骨盤の調節をして便秘を解消するというアプローチ方法もありますので、もしもご自身で努力しても一向に改善が見られないときはお気軽に当院までご相談ください。
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