関節リウマチと似て非なる病気!へバーデン結節とは

年齢を重ねるとどうしても無理がきかなくなったり、身体が硬くなってしまう事でケガなどしやすくなるものですが、今回はやはり加齢やホルモンが影響して起こる、指のこわばりや変形を生むヘバーデン結節について記事を書いていこうと思います。

この疾患はよくリウマチと混同されることが多いのですが、原因は今のところ判明しておらず、指の第一関節に症状が現れるのが特徴的です。指は日常的にもよく使われる部分ですからここが動かなくなると生活に大きな影響を与えてしまいますから、朝起きた時などに違和感がある、という方はなるべく早く専門家に相談するようにしましょう。

それでは記事を始めてまいります。

ヘバーデン結節とは?

私たちの指は複雑で非常に細かな動きを行うことのできる優秀な器官ですが、それを可能にしているのは腱や靭帯で取り囲まれた指関節の働きです。指の関節は指先から数えて最初にある第一関節(DIP関節)、2番目にある第二関節(PIP関節)、指の付け根にあたる第三関節(MP関節)、そして手の甲の中にある第四関節(CM関節)で成っていますが、このうち第一関節が変形し腫れや屈曲などを起こす疾患を、「へバーデン結節」と言います。

へバーデン結節は第一関節が赤く腫れあがって屈曲し、痛みや指のこわばりによって手を強く握ったり手指を自由に動かせなくなったりする病気です。これらの症状が関節リウマチによく似ているため自己判断では間違いやすいのですが、リウマチが手の第二関節に起こりやすいのに対しへバーデン結節は第一関節に起こるという点や、リウマチの場合免疫異常が原因であるため指関節の異常だけでなく倦怠感や貧血、微熱など他の症状も現れるのに対し、へバーデン結節はあくまで指関節のみの症状であるという違いがあります。

診断はレントゲン検査で行い、関節の隙間が狭い場合や関節が壊れている場合、また「骨棘」と呼ばれる骨の棘が見られる場合に「へバーデン結節」と判断されます。

ヘバーデン結節の原因は?

へバーデン結節はイギリスの医師ウィリアム・ヘバーデン博士が発見したことからこの名が付けられましたが、実はこの疾患の原因については今のところハッキリとしたことは分かっていません。

ただ罹患者の傾向からすると手や手指を頻繁に使う人に発症しやすく、また40歳以上の中高年女性が多いことから女性ホルモンの減少が関係しているとも考えられています。また母娘間や姉妹間で発症するケースも非常に多いため、遺伝的な要素が関係している可能性も指摘されています。したがって家族内にへバーデン結節を発症した人がいるという女性は注意が必要でしょう。そのような人は普段から手指に過度な負担をかけないように意識し、どうしてもそのような作業をしなければならない場合はテーピングで固定することをおすすめします。

更にへバーデン結節にはストレスが関係しているという意見もあるため、ストレスの大きい環境やストレスを溜めやすい性格の人も要注意です。勿論必ずしもストレスがへバーデン結節に繋がるとは言い切れませんが、他の様々な疾患の要因にもなることを考えると、毎日の生活の中でストレスを解消する方法を見つけたり思い切って環境を変えてみたりするのも良いかもしれません。

まとめ・改善方法

今回は加齢や使い過ぎによって、指の変形やこわばりを生み出すヘバーデン結節について記事を書いてまいりました。文中にもあるようにこの疾患は関節リウマチとも症状がよく似ており、女性ホルモンが影響する点も合わせて混同しがちです。

またこちらも文中にありますが、これらの疾患はまだ明確な改善方法がなく、言ってみれば民間療法のような予防法しかありませんが、例えば食事に気を使うことで予防ができるという考え方が一般的なので、以下のような食品を積極的に摂取してみるようにしましょう。

摂取したほうがよい食べ物

豆乳を使った製品や大豆製品などは積極的に摂取することが良いです。また炎症を抑えると言う意味では、DHAEPAという脂肪酸(炎症を抑える働きがある)を多く含む食材(サバ、イワシなどの青魚)は積極的に摂取すると良いです。

摂取しないほうがよい食べ物

カロリーの多い食事、糖質の多い食事、甘いものを多量に摂取することなどは関節の周りに炎症を起こすことがわかっています。糖質や糖分の摂取量を減らしましょう。炭水化物や糖質を今まであまり意識したことがなく普通に摂取していたと言う人は、ご飯、パン、麺、お菓子等を今の量の半分に減らすと良いと思います。

また、へバーデン結節の発生にカフェインの摂取が関係すると言う説があります。気になる方は摂取量を控えたり、カフェイン量の少ないデカフェやカフェインレスのコーヒーに変えるなど工夫をすると良いと思います。

アルコールは避けたほうがいいです。アルコールを飲むことで、全身の血管が拡張します。ヘバーデン結節では関節周りに異常な血管が増えてしまい神経と一緒になって痛みが出ているので、アルコールを飲むことでズキズキとした痛みが強くなると言う方が多くいます。

引用:痛みと身体のQ&A