口臭や虫歯、インフルエンザの原因にも!ドライマウスとは?

年齢を重ねていくと色々なことが気になってくるものです、身体をみれば若々しい時分と打って変わり筋肉量が減り、皮膚がダルダルになってきたり、頭頂部が薄くなる、髪にツヤがなくなった、ほうれい線が目立つようになってきた、などなど挙げだせばキリがありません。

また見た目以外でもちょっとした運動でも膝が痛くなってしまったり、上手く歩けない、ちょっとした転倒で骨折してしまう、など身体の衰えというものを感じてしまうものだと思います。しかし、これらはあくまで自分が感じ、自分にとって不利益となるものですが、身体の衰えは時に他人に迷惑をかけてしまうこともあります。

その原因の一つが口臭です。日本人であれば他人に迷惑をかけたくないと誰もが感じてしまうものですが、今回のテーマになっているドライマウスになると口臭がひどくなることが考えられ、出来れば予防したいものです。それでは詳しく内容を確認していきましょう。

ドライマウスとは?

ドライマウス」とも呼ばれる「口腔乾燥症」とは、その名の通り口内が常に乾燥している状態。唾液の分泌量が著しく減少するために起こる現象で、口の中がネバつく、ビスケットなどの乾いた食べ物が食べづらい、口や喉がずっと渇いている感じがするといった症状が現れます。

そもそも私たちの唾液の量は自律神経によってコントロールされており、主に副交感神経が刺激されると口内にある「唾液腺」が司令を受け、唾液を分泌します。通常成人の場合で唾液の分泌量は、1日あたり1.0~1.5ml。唾液は食事や会話の際に口内を潤すという役割だけでなく、口内の粘膜を保護して細菌の繁殖を阻害し感染を防いだり、歯のエナメル質の溶解を防いで再石灰化を促したり、口内のpHバランスが酸性・アルカリ性のどちらにも傾かないようコントロールしたりと、実に様々な役割を担っています。

したがって、これが何らかの原因で分泌されなくなると、単に食べ物が飲み込みにくい、しゃべりづらいというだけでなく、虫歯や歯周病、口臭、口内炎、味覚障害などの疾患にも繋がりやすく、また風邪やインフルエンザなどのウィルスにも感染しやすくなってしまいます。口内は勿論、体全体の健康にまで影響を及ぼす可能性があるため、ドライマウスは決して軽視できない疾患なのです。

ドライマウスの原因は?

ドライマウスの原因は様々ですが、特に多いのは加齢によるものです。加齢は体の様々な機能を低下させる原因であり、唾液腺の機能も例外ではありません。加えて歯や口周りの筋肉も弱くなっており、合わない入れ歯を使っていればなおのこと、柔らかいものばかりを食べるようになって噛む回数が減ってしまいます。噛まなければ唾液腺が刺激されませんから、更に唾液の分泌量が減ってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

またストレスも、ドライマウスの原因になり得ます。というのも前述の通り唾液の分泌をコントロールしているのは交感神経で、特に副交感神経が優位になっているときには水分の多いさらさらとした唾液がたくさん分泌されます。逆に交感神経が刺激されると唾液の分泌が抑制されてしまうため、ストレスにより常に交感神経が優位になっていると唾液が分泌されず、常に口内が乾いた状態になってしまうのです。

更に、口が常に開いた状態だと物理的に乾燥してしまうため、口呼吸の癖がある人もドライマウスになりやすいと言われています。加えて花粉症などに処方される抗ヒスタミン薬の服用や、糖尿病、シェーグレン症候群などの病気が原因でドライマウスを引き起こしてしまうこともあります。

まとめ

今回は単純に口臭で周りに迷惑をかけるだけでなく虫歯や歯周病、口臭、口内炎、味覚障害などの原因にもなるドライマウスについて記事をかいてまいりました。文中にも色々な原因を紹介していますが、例えばこれらに当てはまらないけれどドライマウスになってしまっている場合、現在つかっている薬の副作用によって起きていることも考えられます。

例えば下記、引用にあるような薬を使っていると症状が現れる、などのことがあれば出来る限り使用を抑える努力をしてみましょう。

<薬の副作用>

一番多い原因が、薬による副作用です。

花粉症やアレルギー体質の方が使われる、抗ヒスタミン薬ではドライマウスになる可能性があります。花粉症やアレルギー以外にも、市販の風邪薬にこの抗ヒスタミン薬が入っていることがあります。抗ヒスタミン薬はさまざまな分泌腺に働くため、鼻水を止めるためだけでなく、唾液の分泌も止めてしまいます。抗ヒスタミン薬を飲むと体が渇く理由はこの分泌腺によるものなのです。腸の水分も減るため便秘にもなります。

他には神経内科で出される安定剤や、高血圧やむくみで出される利尿薬、ガスターなどの胃腸薬、肩こりなどに使用する筋弛緩薬もドライマウスの原因になります。

知らないうちに、薬によってドライマウスとなる方は本当に多いです。なってしまったら、まずは飲んでいる薬を疑いましょう。

引用:アンファーからだエイジング