不眠症とショートスリーパーの違い

巷でもよく聞く睡眠時間が少なくても普通の人と同じように日中活動できるショートスリーパー。自分もそれであれば空いている時間を有効活用して今よりもたくさんのことが出来ると、どなたも思ったことがあるのではないでしょうか。

今回はそんな睡眠に着目して日本人の平均的な睡眠時間や不眠症とショートスリーパーの違いなどについて記事を書いていきたいと思います。日本人は世界的にみても不眠症の方が多いといわれていますが、不眠症は精神や生活に影響を及ぼしますので、出来る限り改善できるように努力しましょう。それでは記事をはじめてまいります。

日本人の平均睡眠時間と不眠症

日本における成人の平均睡眠時間は、およそ6~8時間。この平均値内にいる人の多くは都合に合わせて睡眠時間をカットしたり延ばしたりできることから「バリアブル(=変化しやすい)スリーパー」と呼ばれており、日本人全体の80~90%を占めていると言われています。

一方で、睡眠時間が5時間未満の日本人の割合は、男性で8.5%、女性で9.1%という調査結果もあり、およそ8.8%の人が平均睡眠時間に満たない生活をしているとのこと。そのほとんどが睡眠時間の不足により日中に眠気を感じる、注意力が散漫になるなどの支障を感じているため、「不眠症」あるいは「不眠症予備軍」であると考えられます。

「不眠症」とは慢性的に睡眠時間が短い、あるいは眠りが浅いために心身に不調をきたす神経症のことで、これには寝つきが悪い「入眠障害」や早朝に目覚めてしまう「早朝覚醒」、また途中で目を覚ましてしまう「中途覚醒」や、睡眠時間は足りているはずなのにぐっすりと寝たとう感覚が得られない「熟眠障害」も含まれます。いずれにせよ睡眠による脳や体の回復効果が十分に得られないため、日常生活に支障を来し、やがて免疫力の低下や生活習慣病、うつ病などより危険な症状に繋がることさえあります。

不眠症とショートスリーパーの違い

一方で、不眠症患者と同様睡眠時間が平均以下であるにも関わらず、心身に何の悪影響もなく普通の日常生活を送ることができる人がいます。これは「ショートスリーパー」と呼ばれる人たちで、「睡眠時間が6時間以下でも日常生活に問題がなく、十分に健康を維持できる人」と定義されています。日常生活に問題がないどころか、ショートスリーパーには楽観的で精力的に活動でき、複数の物事を同時に考えたり行ったりできる人が多いのだとか。「今のところ元気でも、長い目で見れば体に悪いのでは」と思う人もいるかもしれませんが、ショートスリーパーの人の方が短命であるという事実はなく長期的に見ても健康上の問題はない、と言われています。

ショートスリーパーがこのように健康を維持できるのは、彼らの睡眠には「レム睡眠」つまり夢を見ているときのような眠りの浅い時間が少なく、十分な長さの「ノンレム睡眠」つまり深く眠る時間が確保できているからだそう。時間は短くとも質の良い睡眠が取れているため、心身ともに元気でいられる、というわけです。従って、睡眠時間は同じく平均以下でも、それにより心身に悪影響が及んでいる人は「不眠症」、全く問題がなく健康でいられる人は「ショートスリーパー」と判別できます。

まとめ

今回は不眠症とショートスリーパーの違いについて記事を書いてまいりました。文中にもありますが、昨今ではショートスリーパーであっても健康にはあまり影響がないなど、睡眠について様々なことが解明されてきました。

実際、ショートスリーパーに悩んでいるという方は少ないものですが、不眠症で悩んだり、不眠症が他の精神疾患に影響を及ぼす、あるいはその反対などもあり、自分がよく眠れる生活習慣をつくることはとても大切です。どうしても眠れないという方は例えば下記のようなストレッチも試してみましょう。

深部体温を上げるストレッチ

深部体温とは体温計で測る体温ではなく、脳や腸など体の中の体温です。これが下がってくるタイミングで人は眠りに入っていきます。眠る1時間半前ぐらいにその深部体温を上げておくと快眠につながると言われています。

やり方

ひじを上げます。肩関節を支点に大きく上げ下げ、5回程度ゆっくり繰り返しましょう。

腕を支える筋肉のためだけにやるわけではなく、肩甲骨の周りや脇の下、首の辺りに熱を産生するような「褐色脂肪細胞」というものが分布しているということがわかっています。それを少しでも刺激することによって深部体温が上がっていく可能性があります。

次に同じようにひじを意識して、両ひじを曲げて、前から後ろへ大きく回しましょう。ひじでなるべく大きな円を描くような感じで行います。そうすると肩甲骨の周りが動いているのを感じることができます。

手のひら返しで猛プッシュ

やり方

両手を組んで裏返し、前に突き出してキープしましょう。そのまま両手を真上に上げます。

その状態で左右に少し揺らします。体自体は固定して腕だけ揺らします。肩甲骨や脇の下の周りが伸びていることを意識しましょう。

引用:NHK健康チャンネル